【完】V.I.P〜今宵、貴方だけの私になる〜

あぁ。
一体自分は何をしたいのか。求めて大切にしてやりたいのに、実際は傷付けてばかりなのかもしれない。

気を引きたくて、今まで色んなことをしてきた。

でも、全然掴めない彼女の心。
一度、振り向いて貰えそうだったことが、嘘のようだ。

白濁とした、想い。
こんな感情を本当に俺は知らない。

キレイな物だけが欲しいわけじゃない。
そんな愛なら、形だけでいい。

だけど、彼女と迎えるこの先は、形よりももっと確かな…融け合うような熱で浮かされていたい。


いいじゃないか。
そんな、ルールに囚われなくたって。

別に恋に恋をするような年齢でもなければ、形ばかりに気を取られているような、調和的な愛情だけが欲しいわけでもない。

俺が欲しいのは、何時だって彼女だけ…。

キレイな言葉だけを投げ掛けて、それで手に入るような軟な恋愛なんてしたくない。

この手の中で狂えばいい。
どんな愛でも彼女が与えてくれるものならば、いくらでも受け止めてやる。

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