【完】V.I.P〜今宵、貴方だけの私になる〜

「…ふふっ…要人さんてば、子供みたい…」

「なんとでも言えよ。お前が手に入ったんだ。今、俺は最高に気分が良い…」

「もう…」


顔を真っ赤にして抗議しようとする彼女を片手で抱き締めながら、スマホを弄ってそのままベッドの下に落とした。
その間も熱いキスは止めない。


「かな、めさん…っ」

「ん…?なんだ?」

「仕事…」

「着ようとしていたワイシャツを掴んで、脱がそうとしたくせに?」

「…っ?!そんなこと…っ」

「くくっ冗談だ。けれど、今日は午後からのスケジュールに変更だ。…異論はないだろう?」

「ばか、…っ」

「もう、俺の腕の中に閉じ込めて、一生誰の目にも触れさせたくないな」

抵抗しようと伸びてきた指をキスをして、抱き締め直す。
そのキスが耳に到達すると、彼女は首を震わせた。

「耳、弱いんだったな…。もっと、色んなお前が俺は見たいよ…」

熱っぽく囁やけば、腕をそっと撫でられ掴まれる。

それが、死にそうになるくらい幸せな感情を引き寄せた。


< 123 / 127 >

この作品をシェア

pagetop