たとえ、涙が頬を濡らしても。
冬汰に会いに来てるのに…
なんで、こんなにも遠く感じるの?
冬汰が好きで好きで、会いたくてたまらない…
また、隣でギターを弾き聴かせてよ…
ねぇ…
「ひくっ…ひくっ…」
『澪春…?』
「夏翔…」
夏翔はあたしの側にあったライターをポケットに入れた。
忘れ物か…
『なぁ、今日…俊稀さんいるか?』
「え…あぁ、うん。」
突然の言葉に涙が止まった…
『家にも、お線香…上げに来いよ?
俺の母さん、待ってっから』
「へ?」
『澪春の事だし、ずっとその場から離れねーだろ?
熱中症にでもなられたら大変だしな』
そう言って夏翔はあたしの腕を引っ張って立たせた…
『兄貴に完成した絵、見せてやってよ?』
「夏翔…」
『兄貴、また来るからな…』
そう言い残して、夏翔はあたしの肩を抱いて冬汰のお墓を後にした。