セカンド・ラブをあなたと
カフェでサンドイッチとジュースをたのんだ。
翔さんもケーキセットで付き合ってくれる。

霊園での痴漢騒動と、そのあとの病院と警察でのやり取りなどを報告する。

「お墓参りはひとりで?」
「ひとりになりたかったから…」

その理由を話した。
「中崎さんと話したの。
翔さんの言ったとおりだった。海外赴任が決まって、ついて来てほしいって言われた」
翔さんは黙ったままだ。
「中崎さんは別にだいじょうぶなの。私の返事を受け入れてくれた」

南ちゃんのことを話した。
「傷つけるかもって思うと、申し訳なくて。迂闊に近づいたなって反省してた」
「その時点で話してくれたらよかったのに」
「結局呼び出しちゃってるけど、中崎さんがらみで翔さんを頼れないって思ったから…」
俯いて気まずそうに謝られた。
「責めてごめん」
「ううん。翔さんの言ったことが正解。私の考えが足りなくて、ふたりに嫌な思いさせた。翔さんにもだから、3人だね」
「俺はカウントしないでいいよ」

翔さんはケーキに添えられていたアイスだけを食べて、メインのケーキを「食べなよ」と差し出してくれた。
デザートと翔さんのやさしさに、ほっこりする。

「その子とはさ、手紙でもメールでも、つながりは持てるよ。望くんを巻き込んでもいいじゃん。鈴音ちゃんが出会ったときから何年も経って、彼女も成長してるよ。そんなに気に病むなよ」
「うん、中崎さんにこれからの対応を相談してるから、言われるとおりにしようと思う」
「そうだね」
笑って頷いてくれた。もう気にしてないとわかってホッとした。
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