君を愛していいのは俺だけ

 缶入りのお酒と、おつまみやお菓子を少しだけ買って、コンビニを出た。
 滝澤さんは気を使って袋を持ってくれて、さらに私たちとは少し距離を置いて歩いている。桃子ちゃんにさっきあんなことを言われたから、気にしてるのかなぁ。


「桃子ちゃん、滝澤さんが好きだったの?」
「……うん。入社した時にひと目惚れしちゃって」
「社長のことが好きなんだとばかり思ってたよ。それに、滝澤さんもそう思ってるはず」

 入社してすぐ、滝澤さんから聞かされて、そうだとばかり思っていたのに……。


「全部、滝澤さんの気を引くためなの。私も仁香ちゃんと同じフロアにいられたらよかったのになぁ」

 彼女はそう言うと、数歩後方にいた滝澤さんを待つために足を止めた。


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