君を愛していいのは俺だけ

 自宅に大人が三人も入ると、さすがに窮屈だと思った。
 それに、この部屋に男の人が入ったのは初めて。……と言っても、同期の滝澤さんじゃ友達が来たようなものだけど。


「ところで、滝澤さんって好きな人いないの?」
「俺? いいよ、そういう恋愛話は苦手だし」

 桃子ちゃんがそれとなく聞き出そうとしているけれど、空回りだ。
 私は買ってきたスナック菓子をお皿に出し、テーブルに置いた。


「私も、滝澤さんの恋愛話は聞いてみたいな」
「秋吉さんまで、なに言ってるの? 勘弁してよ」

 笑ってごまかす滝澤さんは、いつになくお酒が進んでいるようだ。
 桃子ちゃんも、彼の隣をキープしていて、外で飲む時より距離が近い気がする。


 言われてみれば、滝澤さんがいると必ず隣に桃子ちゃんがいた。
 ランチに誘ってくれるのも彼女からだし、毎日のように一階下にあるMDのフロアに顔を出していたのは、そういうことだったのか……。


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