君を愛していいのは俺だけ

 もちろん、すぐに結果に結びつかないものもあるけれど、地道に努力する長期戦なら得意だ。


「随分、やる気が目に見えるわね」
「ありがとうございます」

 周防会の先輩女子にも、時々褒められるようになった。
 ただの新人じゃなくて、仕事をきっちりこなして向上していく後輩と認めてもらえたら、今までのような圧のある態度もなくなるかもしれない。


 だけど、陽太くんの好みのタイプになるには、どうしてもひとりじゃできないことがある。

 尊敬し合えるようになるには、今の彼ともっと近づかないと分からないこともあるし、その逆もまた然り。


「はぁ……」

 自席に広げた資料を見ていたら、無意識にため息が漏れた。

 彼が帰国するまであと数日。

 カウントダウンできるほどなのに、こんなにも長く感じるなんて。


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