君を愛していいのは俺だけ

 悩みごとはもうひとつ。

 滝澤さんに告白されたと、桃子ちゃんに言わないで過ごすのは心苦しい。
 彼の好きな人が私だったなんて、彼女が聞いたらショックかもしれない。でも、私が言わないでいるうちに、何らかの形で他の人から聞かされたら、もっとショックだろう。

 これからも仲良くやっていきたい同期として、ここは正直に打ち明けるべきだと思った。


 いつものごとく彼女がランチに誘ってくれて、このタイミングで話そうと決める。
 だけど、どう話し出そうかと考えていたら、社食の向かいの席に座っている彼女が小さく笑った。


「仁香ちゃん、なにか悩んでる?」
「あ、うん……分かる?」
「分かるよ。仁香ちゃんは分かりやすいから」

 そんなに私って分かりやすいのかな……。滝澤さんにも言われたあげく、桃子ちゃんにまで言われるなんて。


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