君を愛していいのは俺だけ

「あのね、この前滝澤さんと飲みに出た時の話なんだけど」
「うん、なに? なにかいい情報?」

 わくわくした瞳で見られると、余計に言い出しにくい。
 だけど、言わないでいられるはずもなくて。


「滝澤さんにね、告白されちゃって。返事はしなくていいって言われたから、特に変化はないんだけど……」
「なんだ、そのことか」
「え!?」
「少し前に、滝澤さんに相談されてたの。仁香ちゃんは社長のことが好きっぽいけど、どうしたら俺にチャンスがあるかなって」
「ええっ!?」

 驚きっぱなしの私を見て、彼女は緩やかに微笑んだ。


「仁香ちゃんは本当に鈍すぎ。でも、別に私は怒ってないよ。滝澤さんにまだ告白もしてないし、振られたわけでもないから、チャンスしか残ってないの。仁香ちゃんが滝澤さんに社長が好きって認めてくれてよかった」

 知らないところで、ふたりの間でそんな話をしていたのかと思うと、自分がいかに鈍いのかを思い知った。


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