君を愛していいのは俺だけ

 今朝は、緊張と楽しみな気持ちに押され、二十分早く目が覚めた。
 カーテンを開けると予報通りの空模様で抜けるような青が見える。

 オフショルダーのニットワンピに合うメイクを意識して施していく。
 家を出る時間が近付いて、ベッドに置いていた携帯を手に取ると、新着メッセージの通知が表示された。

 夜か朝に送ってくるのは、だいたい美歩だ。
 ショップであった出来事や、新しくオープンした店の情報と一緒に、今度行こうと誘ってくれたりする。
 急ぎの用ではないだろうし、電車の中で確認することにして、ブーツを履いて家を出た。


 今夜、陽太くんと出かけるなんて、夢みたいだなぁ。
 駅のホームで朝の冷たい空気に肩を竦め、途中で買ったホットミルクティーで手を温めながら、携帯をバッグから出した。


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