君を愛していいのは俺だけ

「慰労会も開いたりするんですね」
「社全体で集まれたら本当はいいんだろうけど、人数的に都合を合わせるのも難しいし、店の予約も大変だからね」

 私に身体を向けて話してくれる彼の声色が、とても穏やかで落ち着く。
 ドキドキしているはずなのに、いつまででも隣で話していたくなる。


「そのうち、別件で佐久間からまた誘いのメールが届くと思うけど、よかったら参加して」
「なんの集まりですか?」
「社長室の忘年会だよ。俺が呼びたいメンバーだけ集めた、内輪の飲み会。今日の慰労会よりもっとカジュアルだから、気を使わないで楽しめると思う」
「……考えておきます」

 よろしく、と言って、彼はシャンパングラスを傾けた。
 無駄のない綺麗な輪郭と、タートルネックから少しだけ見える首筋を見て、思わず視線を逸らした。

 彼はきっと意識していないだろうけど、なにげない仕草が色っぽくて困る。

 付き合っていた頃の彼よりも、今の彼の方がもっと魅力的で……私の気持ちは煽られてばかりだ。


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