君を愛していいのは俺だけ

 慰労会から一週間後。
 師走の多忙な日々に追われているようで、陽太くんとは顔を合わせることも叶わず、この前クリスマスの予定を聞いてきた理由も聞けないままだ。

 社長室に異動するかどうかも、まだ決めかねている。
 私なんかが力になれるのか自信もないし、今までの経験が活かせるのはMD職なのではないかと思っているところもあって……。



【お疲れ様です。このメールは宛先の方のみにお知らせしていますので、対象外の方には口外されませんよう、先に断りを入れておきます。今年も社長室の忘年会を開催する運びとなりました。下記、日時となります。場所については、言わずもがななので割愛いたします。ご参加される方は、佐久間まで――】

 陽太くんが慰労会で言っていた通り、社長室の忘年会の案内が送られてきた。
 佐久間さんが割愛してしまったお店の場所が分からないけれど、参加以外はもちろん考えていなかったから、すぐに返事をした。


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