君を愛していいのは俺だけ
陽太くんはクリスマスをどう過ごすんだろう。
この前、やっぱり聞けばよかったな。【陽太くんはどうするの?】って。
好きな人はいると言っていたから、その相手と過ごすのかもしれないし……。このままじゃ、彼が誘ってくれないかと待ち続けてしまいそうだ。
それからは、多忙な彼と社内で会話することもなく、私も年末セールと在庫管理、来年の初売りの最終打ち合わせに追われて過ごした。
クリスマスをどう過ごそうかなんて悠長に考える間もなく、日々を過ごしていたら、あっという間に二十一日がやってきて、明日はなにを着ていこうかと、毎度恒例のコーディネートを決める時間を過ごす。
佐久間さんからの案内の宛先には、周防会の先輩はひとりもいなかった。
社長室の皆さんと、MDの部長と私だけ。総勢二十名の集まりだから、ほんの少し気合を入れてもいいかと服を選ぶ。