君を愛していいのは俺だけ
「俺がどれだけ想ってるか、今日と明日のデートで思い知ってもらうからね」
にこっと笑ってくれているけれど、彼のひと言は私の胸の奥を簡単に締め付けてくる。
「そろそろ行こうか。またちょっと歩くけどいい?」
「うん」
夕暮れの訪れとともに灯りだしたイルミネーションを背に、彼が携帯で写真を撮った。
私は接近した彼の顔に緊張していたけれど、彼はすごく楽しそうだった。
車に戻り、混み合ってきた六本木の街を後にした。
ちらちらと雪が降りはじめ、イルミネーションが一層映える。
やがて、車窓は品川方面の街並みに変わり、高輪の有名ホテルの車寄せに停まった。
――ここって、間違いなくホテルだよね? まさか、お泊まりするってこと!?
予想外の展開にドキドキしながら車から降りる。
ホテルのスタッフに車を預けた彼は、私の手を引いて館内へ入った。