君を愛していいのは俺だけ
彼の家は、やはり広すぎる。
リビングとダイニングだけで十分生活できそうなほど、設備も整ってて快適そうだ。
地上よりも雪の粒が大きく見える景色を、窓際に立って眺める。昼間とは違って、夜景はどこまでも煌めき、クリスマスの盛り上げ役にぴったりだ。
できるだけ気を逸らそうと、ありきたりなことを考えようとするけれど、今夜は彼とふたりきり。
この前みたいにたくさんの人がいてもドキドキしていたのに、無事に明日を迎えられるか心配になるほど、大音量で鳴っている鼓動は鳴り止む気配すらない。
「仁香、ソファで待ってて」
彼がハンガーを手に、リビングへ戻ってきた。
ゆっくりしててと言って、彼はシャンパンクーラーを出している。
それから買ってきたワインとグラスを出し、大皿にチーズとフルーツ、クラッカーとジャムを盛りつけ、ソファに座っている私の隣に腰を下ろした。
先に用意されたシャンパンクーラーは、グラスを買った店にあったものと同じ。
慣れた手つきでコルクが抜かれ、細かな泡が立ち上るシャンパンで乾杯をした。