君を愛していいのは俺だけ
「最終打ち合わせを始めます。資料の差し替えについては先ほどご案内した通りです。それでは、まずアパレルデザイン案について――」
最初はぎこちなかった打ち合わせの進行も慣れてきた。
自分の企画くらい一から十まで説明できないとダメだと分かっていたけれど、前職で得た知識とWEBに関する新しい知識を合わせ、大体の質疑応答には対応できるようになった。
働くことが楽しいと思える日々は、なににも代えがたい。
どんな形でも、自分が好きな仕事をしていられるのは、とても幸せなことだと気づけた。
「秋吉さん、この売上予想とPVの数字は確定?」
「はい。現時点での今年度予想です」
「なかなかいいね。強気で攻めてる感じだけど」
陽太くんは私の資料に隅々まで目を通し、ゴーサインを出してくれた。