君を愛していいのは俺だけ
【お疲れ様です。企画の件はとてもいい内容でした。結果を期待しています。異動の話を受けてくれるようで安心しました。詳しくは人事部と佐久間から連絡をさせます】
期待していた返事ではなく、肩を落とす。
異動の話なら、時間を作ってくれると思ったのにな……。
このところ多忙を極めている彼に、ちょっとくらい気にかけてほしいなんて、ワガママなのかもしれない。
だけど、やっぱり……一緒にいたくて。
今の彼をもっともっと知りたいのに。
しゅんとしながら帰路に着き、彼とやり取りしたメッセージを読み返す。
クリスマスの写真を眺めていると、遠い思い出に浸っているようで切ない。
勇気を出して彼の気持ちにすぐ答えていたら……なにか変わったのかな。
今頃、彼女として過ごせていたら、こんなに落ち込んだりせずに済んだのかもしれない。