君を愛していいのは俺だけ
「SUNRISERに入ってくれたどの社員に対しても、本当にありがたいと思ってるんだ。もっと大手を選ぶこともできたのに、理念や事業内容に共感してくれたり、待遇に納得してくれたから出会うことができた“縁のある人たち”の集合体だからね」
たしかに、前職の方が歴史のある企業だ。でも、働いている人間は、限られている自分の時間をどこで過ごし、どう過ごして、なにを得ていくかを選ぶ権利がある。
それを、周防社長がありがたいことだと言えるのは、社員ひとりひとりに気を配っているからだろうな。
「こうして気兼ねなく話しかけてもらえるのは嬉しいことなんだよ。またいつでも、秋吉さんが話したいと思ってくれた時に、時間を設けましょうね」
「ありがとうございます」
SUNRISERに入ってよかった。
毎朝重苦しい気分で出社する日々から解放されるだけじゃなく、やりがいもある。
それに、働いている人たちの人柄や雰囲気が好きだ。
周防社長が“陽太くん”かどうか、確かめることはできなかったけれど、身代わりお見合いの件を許してもらえただけでも、目的は果たせた。