君を愛していいのは俺だけ
「陽太くんが大好きだから、見つめられると困るの。好きな気持ちを言葉にできなくなっちゃうの。今の陽太くんが色っぽかったり、男の人なんだって再確認させられたり、懐かしい気持ちになったり……」
「仁香……」
「大好きだから、見れないだけだもん……」
もっと彼に見合う女性は大人っぽくなくちゃいけないんだって分かってる。
だけど、どうしても甘えたくて。
会社や他の人の前では絶対に見せられない私も、彼には受け止めてほしくて……。
「っ!?」
俯いていたら、ギューッと抱きしめられて息が詰まった。
苦しさのあまり、彼の胸を両手で押し返したら、素肌に触れてしまって余計に胸の奥まで締め付けられていく。
「疑ったりしてごめんな」
「……うん」
「でも、たぶん仁香のお願いは聞いてやれない」
ふと緩んだ腕の力にホッと息をつくと、顎先を持ち上げられると同時にキスが降ってきた。