君を愛していいのは俺だけ

 キスの合間に、舌が絡められて息が上がる。
 とろんと意識まで溶けてしまいそうで、あっという間に呼吸は乱され、上気した頬の熱さに触れた彼の手のひらは、さらに深くキスを求めるために私の動きを封じた。


「今日はいっぱいキスしたい気分なんだけど、いい?」

 私の下唇に指先で触れながら、彼は優しくも鋭く見つめてきて。


「……返事は?」
「いいよ」

 不意に耳にキスをされて、声が上ずった。
 彼の甘く低い声と息遣いが吹きこまれて、唇と指先で丁寧になぞられると、どうしようもない気持ちになる。


「これからもずっと、俺に乱されて」

 私が彼をギュッと抱きしめ返したら、ようやく彼は私を解放してくれた。


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