君を愛していいのは俺だけ

「ちゃんと脱がせて」
「…………」

 容赦ない彼は、私の手を取ってYシャツを肩から落とすように動かす。
 もう一方は自分でやるようにと、彼は導いていた手を離してしまった。


 音もなく落ちていくYシャツを見届けたら、彼の身体が露わになって目のやり場に困る。
 それとなく彼と視線を交えてみたものの色気に圧倒されてしまい、宙を彷徨うばかり。


「っ……」

 私の唇から顎を通って、首筋を下った彼の指先は、ブラウスのボタンを器用にひとつずつ外していく。

 そして私も、程なくして彼と似たような格好になってしまった。

 見つめられるだけで心臓が止まってしまったのかと思うほど、緊張に襲われていく。

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