君を愛していいのは俺だけ

「まだだよ」
「っ!!」

 なんとか最後のひとつまで外したのに、スラックスの腰元を飾っているベルトの上に手が導かれた。
 予想外の連続に、湯気が出そうなほど熱くなった頬は、一瞬にして赤くなっていく。


「ベルトだけでいいから、外してみて」
「どうしても?」
「うん、どうしても」

 彼の願いはなかなかきわどい。
 相手がマネキンだったらすんなりできることも、陽太くんの身体に触れてしまいそうで指先に緊張が走った。

 するりと外れたベルトが、だらしなく下がっている。
 彼の姿にドキドキしてたまらない気持ちが心の奥底から込み上げてきて、私はとうとう俯いてしまった。


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