君を愛していいのは俺だけ
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「連休、どうしよっか。どこか行きたいところある?」
前もって、仁香にリクエストを考えておいてと言っておいたけれど、連休初日の夜になっても答えは返ってきていない。
「ひとつだけ、お願いがあるんだけど」
「うん、なに?」
都内はどこに行っても混み合っているけれど、行きたいところがあるなら連れて行く。
買い物なら気が済むまでつきあうし、急遽旅行がしたいと言われても、実現してあげられる。
仁香が喜んでくれるなら、どんな願いだって叶えたくて。
「…………」
「仁香?」
黙り込んだ彼女を覗き込むと、言い出しにくそうにしている。
「なんでもいいから、言ってごらん」
「……陽太くんにひとりじめされたい」
「えっ!?」
言ってから真っ赤になった顔を隠した仁香は、俺の腕を解いて前に向き直ってしまった。