君を愛していいのは俺だけ
店を出ると、すっかり夜になっていて、街もサラリーマンや学生の姿で少し賑やかだ。
二十二時前にホテルに戻り、明日に備えて早めに寝支度を整えた。
大浴場の温泉は、とても気持ちよかった。露天風呂から見る空は、星がたくさん瞬いていて、澄んだ空気に心まで洗われるようだった。
「どうだった?」
「すごくいいお湯でしたよ。ちょうどいい熱さで肌がしっとりします」
「そうなんだ、楽しみ。秋吉さん、湯冷めしないようにね」
「ありがとうございます。ごゆっくりしてください」
タイミングよく、脱衣所を出たところでこれから入る墨田さんとすれ違い、再びエレベーターに乗って部屋に戻った。
一泊しかできないのが残念だけど、またプライベートで旅行したいなぁ。
部屋から見える有名な長崎の夜景は、いつまでも眺めていられそうなほど綺麗だ。