君を愛していいのは俺だけ
「早く来い」
「は、はい……」
再会してまだ一カ月と少ししか経っていないのに、ベッドで並んで座ることになるなんて……。
耳の奥で鳴り響く鼓動の音が、ドキドキと聞こえる。
彼は長い脚を組んで、先にビールのプルタブを開けた。
「飲める?」
「大丈夫です」
あぁ、でもさっきのお店でもお酒が入ってるし、温泉にも浸かった後だから気を付けなくちゃ。ここでまた酔っ払って彼に抱きついたら、完全に引かれるだろう。
乾杯をして、少しずつ飲み進める。
彼は喉が渇いていたのか、何度も喉を上下させてから、大きく息をついた。
「社長、私とは極力関わらないようにしているはずでは……」
「そんなことないよ」
「……歓迎会のこともあったので」
ふっと表情を緩めた彼は、ベッドサイドの丸テーブルに缶を置いて、私に向き直った。