イジワル騎士団長の傲慢な求愛
「セシル。愛している」

ふたつの体が、ベッドへと引き寄せられ、沈み込む。

倒れた拍子に触れた唇は浅く掠めただけだったのに、じわりじわりと深くなっていって、次第に激しくせめぎ合うような口づけへと変化していった。

「……ぁぁっ」

息が出来なくなったセシルが声を漏らして胸を跳ね上げると、ルーファスはキスを止め、セシルの顔の両側に手をついて閉じ込めた。

「もう呼吸を荒くしているのか……?」

「だって、こんな……初めてだから……」

頬を紅潮させ、涙声を漏らすセシルを見て、ルーファスの紅く濡れた唇が綺麗な三日月型に変わった。

「そんな顔をするな。手加減できなくなるぞ」

もう一度深く唇を重ねながら、ルーファスはセシルの手を塞ぐように指を絡めた。
キスが次第に首筋に下がっていき、柔らかな白金の髪先が、セシルの胸もとをくすぐる。

ルーファスの手がセシルの腕をするりと撫でていき、肩を辿って胸に触れる。そっとその膨らみを包むように抱きしめる。

「……ルーファスっ……」

「……怖くなったのか?」

「わ、わからない、私、どうしよう……」

「そんなに怯えなくても――」

「ちがうの、怯えているんじゃなくて……」

どうしようもなく嬉しいんだ。けれど、そんなことは口が裂けても言えない。
顔を真っ赤にして訴えるセシルがそれを求めているのだと、ルーファスは気がついてしまったようで、フッと小さく吹き出した。

「恥ずかしがることなんてない。たとえどんなに乱れても、俺の心の中だけに留めておいてやる」
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