【完】溺愛飛散注意報-貴方に溺れたい-
きーんこーん。
終業ベルが鳴ったのと同時に、私はカバンを持って教室を足早に出る。
長い廊下を小走りに歩いて、慎重に階段を降りて行く。
今なら、きっとまだ、外に出ている生徒もそんなにいないはず。
でも、私のそんな願いは、いとも容易く砕けてしまった。
それは、まるでベタな展開。
二階の踊り場までやや下を向きながら階段を降りていた私に、どん、と誰かがぶつかってきて。
「、す、みませんっ!」
「……」
「…、あの…?」
「なんだよ?」
反射的に深々と頭を下げる。
だけど、ぶつかった相手は全く反応を見せなくて思わず怪訝そうな声を出してしまう。
その声に漸く反応したその人は…毎朝中山先生の血管をぶち切れさせてる五人組の内の一人…尾上一志(おのうえかずし)だった。
「あの、あの、本当にすみませんでした!」
「…そんなに、警戒すんなって。別に取って食っちゃしねぇよ…けど。ふぅん?あんたが、ねぇ?」
「…へ…?」
「いんや。なんでもねぇ。ま、他の奴らに絡まれる前にとっとと消えな」
「は、はい!」
思ってたより、フランクな人だな…そんな印象だった。
でも、私はその考えをすぐに振り切って、早くKAZUに逢えるように、とライブハウス近くのコインロッカーへと急いだ。
終業ベルが鳴ったのと同時に、私はカバンを持って教室を足早に出る。
長い廊下を小走りに歩いて、慎重に階段を降りて行く。
今なら、きっとまだ、外に出ている生徒もそんなにいないはず。
でも、私のそんな願いは、いとも容易く砕けてしまった。
それは、まるでベタな展開。
二階の踊り場までやや下を向きながら階段を降りていた私に、どん、と誰かがぶつかってきて。
「、す、みませんっ!」
「……」
「…、あの…?」
「なんだよ?」
反射的に深々と頭を下げる。
だけど、ぶつかった相手は全く反応を見せなくて思わず怪訝そうな声を出してしまう。
その声に漸く反応したその人は…毎朝中山先生の血管をぶち切れさせてる五人組の内の一人…尾上一志(おのうえかずし)だった。
「あの、あの、本当にすみませんでした!」
「…そんなに、警戒すんなって。別に取って食っちゃしねぇよ…けど。ふぅん?あんたが、ねぇ?」
「…へ…?」
「いんや。なんでもねぇ。ま、他の奴らに絡まれる前にとっとと消えな」
「は、はい!」
思ってたより、フランクな人だな…そんな印象だった。
でも、私はその考えをすぐに振り切って、早くKAZUに逢えるように、とライブハウス近くのコインロッカーへと急いだ。