【完】溺愛飛散注意報-貴方に溺れたい-
「そんなに見られると、またしたくなるだろ?頼むから、そんなに無防備になるなよ…」
「せんぱい…」
「…なんだ?」
「………」
その先は、言えなかった。
このまま、人の温もりのない家に帰りたくない、だなんて。
それは、今此処で言うべき事じゃないと、そう思った。
なのに…。
「大丈夫だ…何があっても、お前は俺が守る…誰にも傷付けさせねぇよ」
せんぱいは力強く、そう言い切った。
あぁ…もう。
この人なら…この人になら…たとえ惑わされてもだまされても…いい。
そう、思って、私はせんぱいの腕の中にぽすん、と収まった。