【完】溺愛飛散注意報-貴方に溺れたい-

「そんなに見られると、またしたくなるだろ?頼むから、そんなに無防備になるなよ…」

「せんぱい…」

「…なんだ?」

「………」


その先は、言えなかった。


このまま、人の温もりのない家に帰りたくない、だなんて。

それは、今此処で言うべき事じゃないと、そう思った。



なのに…。


「大丈夫だ…何があっても、お前は俺が守る…誰にも傷付けさせねぇよ」



せんぱいは力強く、そう言い切った。



あぁ…もう。



この人なら…この人になら…たとえ惑わされてもだまされても…いい。



そう、思って、私はせんぱいの腕の中にぽすん、と収まった。


< 41 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop