【完】溺愛飛散注意報-貴方に溺れたい-
ぴたりと学生服越しに密着する温度に、私はバカみたいにドキドキする。
こんなの、KAZUを想う気持ち以上に、大きいんじゃないか…。
KAZUは、私の中で、もう神様みたいなものだ。
好き過ぎて、何度泣いたことか分からないくらい…。
でも、せんぱいに告白されて付き合うようになり、生きてる世界が一変してから…。
KAZUを想う気持ちはただ恋に恋していただけなんだ、と知った。
「せんぱいって、不思議…」
「あぁ?なんでだよ?」
「私が欲しいものくれるから……」
回された腕に少しだけ寄り掛かってそう言ったら、せんぱいはふぅっと溜息を吐く。
「………それは、お前だろ……」
ぼそり、呟かれた言葉が聞き取れなくて、顔を見上げようとしたら、瞳にく、と手をやられて。
そのまま目隠しをされてしまい、身じろいでも何も見えなかった。
そんなことをしてる内に、教室に到着してしまう。