【完】溺愛飛散注意報-貴方に溺れたい-
「未麻ー?帰り、ちゃんと待ってんだよ?薫せんぱいの事」
「え?円香は一緒じゃないの?」
「はぁ…あのねぇ?二人のラブラブな仲を裂く勇気はワタクシにはございませーん」
「ら?!ラブラブって!」
「昼休みみたいに、いちゃこらされてたら、私のいる意味ないでしょ!それじゃ、また来週ー!」
「ちょ、ちょっとー!」
私の制止を聞かずに、円香は他のクラスメイトと教室を出て行ってしまう。
残された私は、もう誰もいない校庭を見つめて、ふぅ、と一つ溜息を吐いた。
「待ってろって、言われてもなぁ…」
何も、する事が、ない…。
それって、結構な拷問?なんて思ってしまう。