【完】溺愛飛散注意報-貴方に溺れたい-

「…上等じゃねぇの。俺が売られたケンカはきちんと買い取ってやるタイプだっての、きちんと分からせねぇとなんねぇな」


嫌がる私の顔を見たせんぱいの瞳に、強い怒りの色が走ったのを感じた。


今から起こるであろう、ケンカの場面に…ただただ恐怖しかない私に向けて、せんぱいは一言。


「大丈夫だ。お前を傷付けなんかさせねぇ…」


と、言ってくれた。


「格好つけてんじゃねぇ!」


ひゅんっ


3人の内の1人が、それを聞いてすぐにせんぱいを殴ろうと拳を振り上げた。

その動作を先に読んでいたかのように、せんぱいはスイッと身をかわして逆にその人のお腹の辺りに拳をガツンと叩き付ける。


そして、怯んだ残りの2人に、長い足で蹴りを加えて、体勢を崩した。



「ぐっ」

「ぐあっ」

「ぐはっ」


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