【完】溺愛飛散注意報-貴方に溺れたい-
だけど。
そんな願いは儚く散ることとなった。
放課後になって、委員会の会議で学校に残っていた私。
思った以上に長くなったそれに、ふうっと溜息を吐きながら教室をへ戻ると、先に帰ると言っていた筈の円香がいた。
「あれ?円香?どうしたの?帰ったんじゃ…」
「未麻!ど、どうしよう!!」
「…え?」
「透せんぱい達が…っ」
「…な、に?何があったの…?」
嫌な予感。
それが次の言葉で確定する。
「同じ学年の不良たちとケンカしてるって!今、先生たちが止めに入ってるって!」
円香の顔色は真っ青だ。
それは当然だと思う。
私だって、昨日は本当に怖かったから。
じんじんと手首の熱が痛みをもたらす。