過保護なドクターととろ甘同居


この素敵な品々を、先生は元々用意してくれていたと言っていた。

どうしてだろうと疑問に思っていたけど、それは連れて行かれた先で明かされた。


「バイト帰りの格好で来た、あの日のリベンジってことだ」


先生のところでお世話になるという話をしたあの日、相応しくない格好で来てしまったという私の何気ない言葉を、先生はちゃんと覚えていてくれたのだ。

二度目となる、高級ホテルのフレンチレストラン。

今日ももちろん緊張の中足を踏み入れたけど、先生の粋な計らいのお陰で前回ほどの肩身の狭さはなかった。

席に着くと、今日は例の料理長さんが直々に挨拶にやってくる。

始まったばかりだという春限定のフルコースメニューをおすすめされて、先生は迷いなくそれを二人分オーダーした。

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