過保護なドクターととろ甘同居


「あ、あと、何か料理に合うワインか何か、一緒に出してもらえますか」


そんな注文を耳にして、『え?』と思わず先生の顔を見ていた。

料理長さんが「かしこまりました」と席から立ち去っていく。


「先生、あの……車ですけど」


飲酒してしまったら、帰りの運転はどうするのだろう。
代行でも呼ぶのだろうか?

私の質問に、先生は笑みを浮かべた唇に手を当てる。

どこか意味深に見つめられて、トクトクと鼓動が速くなっていた。


「今日は帰らないつもりなんだが、ダメだったか?」

「えっ……」

< 102 / 144 >

この作品をシェア

pagetop