過保護なドクターととろ甘同居
腹をくくって先ほどの診察室に戻ると、すでにデスクに掛けた先生がキーボードを叩いていた。
「まず、子宮の状態ですが、特に異常はないようですね。生理不順はストレス性だと思いますが、経過を見て、必要ならホルモンの薬を出す感じでいいかと思います」
「ストレス性……ですか」
生理不順が始まったのは半年くらい前からだ。
それまでは毎月ピタリと同じ日付けにきていたのに、数日ずれ、一週間ずれ、と少しずつ周期は乱れ、今回は一ヶ月。
ストレスの原因は、何となく察しはついている。
俊くんとの上手くいかなくなった関係に悩んでいるからかもしれない。
「そして、妊娠の有無ですが、妊娠はされていませんね」
検査結果と見られる薄っぺらい小さな紙を手に、先生は単刀直入に妊娠していたかの結果を述べた。
受付けをして問診表を記入したあと、尿検査をする紙コップを渡されお手洗いに入った。
それを調べたら、妊娠しているかしていないのか、わかったのだろう。
結果を聞いて、ホッと胸を撫で下ろす。
横から「マジか、良かったー」と、取りようによっては不謹慎な言葉が吐かれた。
「良かったと言うほど妊娠を望まれていないなら、なぜ避妊具を使わないのでしょうか」