過保護なドクターととろ甘同居
「沙綾がそんなこと言うなんて……もしかして、さみしい思いさせてるのかと思った」
その通りのことを先生が口にして、図星の私は返す言葉が出てこなかった。
先生にそんなことを察せてしまったことに、また自分を強く責める。
先生は父親の鏡のように陽美を可愛がってくれている。
それなのに、私はなんてことを言ってしまったのだろう。
抱き締められた腕の中で、強く首を横に振った。
「そんなことないです」そう言った私を、先生は更にギュっと強く抱き締めてくれた。
もう、こんなことを言って困らせたくない。
出会った頃から変わらない腕のぬくもりにそんな誓いを立てた。