過保護なドクターととろ甘同居
「驚いた……すごく綺麗だよ」
部屋に入ってきた先生は、頭のてっぺんから足元までを一通り見ると、ため息混じりにそんな感想を伝えてくれる。
同じように先生の姿に釘付けになっていた私は、「それは稜さんの方です!」と言い返していた。
「パパ、パパ! 陽美はきれい?」
私たちの会話を横で見上げていた陽美は、張り合うように先生の足元に絡みつく。
先生は優しく微笑んで、目線を陽美に合わせるようにしゃがみ込んだ。
「陽美もすごく可愛いよ」
「じゃあパパ、陽美と結婚式してよー」
目一杯オシャレをした陽美が先生にそう言っている姿は何とも愛らしい。
そんな二人を穏やかな気持ちで見つめていると、先生が細い陽美の肩に手を掛けた。
「陽美、よく聞いて。パパはね……陽美とは結婚式できないんだ」