過保護なドクターととろ甘同居


微笑ましいやり取りが急に空気を変え、目を見張る。

先生は陽美の目を真っ直ぐ見つめ、諭すような口調で話を始めた。

今まで“できない”と言われたことのなかった陽美は、不思議そうな顔をして「どうして?」と大きな瞳で先生を見つめている。


「パパはね、ママのことが世界で一番好きなんだ」

「……世界で、一番? じゃあ、陽美は?」

「陽美のことも、もちろん大好きだよ。でもね、ママのことは、陽美が生まれる前からずっと好きだったんだ」


始まった話に、息をするのを忘れてしまいそうになって聞き入っていた。

陽美を見つめる先生の顔から目が離せなくなる。


「パパは、ママが大好きで、ずっと一緒にいたいと思ったから、陽美が生まれてきた。だから、これからもママのそばにいて、ずっとママのことを守っていきたいんだ」

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