過保護なドクターととろ甘同居


「ママ、どうして泣いてるの? どこか痛いの?」


涙に濡れた私の顔を、陽美は首を傾げて心配そうにじっと見ている。

涙を振り払うように顔を振り、にっこり笑顔を浮かべてみせた。


「ううん。ママ、嬉しくて涙が出ちゃったの」

「えー? 嬉しいとニコニコするんだよー? 変なママー」


ケラケラと笑う陽美を目に、言葉にならない幸福感に包まれていた。

きっと、これ以上幸せなことはない。

目が合った先生は、今までで一番優しい笑みを浮かべて私を見つめていた。

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