過保護なドクターととろ甘同居


病院で顔を合わせた時、先生には私に気付いた様子が全く見られなかった。

だから、きっと私がお店で先生の応対をしたことも覚えていないのだろうと勝手に思っていた。

コーヒーショップの店員の顔なんて記憶していないはずだと。


「その後、体調は?」


先生は私に質問を投げかけながら、店前から歩き出す。


「あ、はい。あのあと、遅れていたものもきまして……」


それに答えながら、自然と並んで一緒に歩く形になっていた。


「なら良かった。やっぱり、ストレス性の周期乱れのようですね」


病院に行って体を見てもらって、その後すぐに月のものが訪れた。

俊くんとのことも、あの日を機に自分の中で整理がついたんだと思う。

知らぬ間にあらゆるストレスを溜め込んでいたのかもしれない。

それが、体の不調となって現れていたということだろう。


「あの彼とは、どうですか」

「え……?」

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