過保護なドクターととろ甘同居
先生のマイカーは、私には憧れの域でしかない国内の最高級車。
いつだかテレビか何かで、購入後の納車式が豪華で凄いだとか聞いたことがある。
ちょっとしたセレモニーみたいな感じだとか。
こんな車に乗っている人が身近にいなかったため、ドアを開けて乗るように促されても乗り込むことが躊躇われた。
「あの、何か、すみません……」
「何が?」
運転席に乗り込んできた先生をチラリと見る。
シートベルトを締めた先生はエンジンをかけるとすぐに車を発進させた。
借りてきた猫状態の私は、発車した車の静粛性に再び驚かされていた。
エンジン音はもちろん、外部の音も全くと言っていいほど聞こえない。
いい車の乗り心地に驚愕していると、続きの言葉をうっかり見失ってしまっていた。