過保護なドクターととろ甘同居


ずっと私がこっそり見ていたことに気付いていたかのように、先生は口角を吊り上げる。

口元に笑みを浮かべたまま前に向き直ると、ハンドルを切りながら口を開いた。


「そんなに見るほど、どこか変?」

「えっ! あ、いえ、変なんて、そんな……」

「何か、すっごい視線感じるから」


鼓動がどっきーんと跳ね上がる。

全てお見通しだったかの指摘をされ、私に返す言葉は見当たらない。

膝の上で抱えたバッグを握る手に力が入る。

黙って俯いた私を確認してなのか、先生がクスッと笑うのを感じ取った。


恥ずかしい、気まずい、なんて思って顔を伏せているうち、「あれ? 寝ちゃった?」なんて声が掛けられる。

「寝てません!」と顔を上げて、フロントガラスの先に見えてきた立派な建物に目を丸くしてしまった。

そこは、この辺りでも三本指に入るラグジュアリーホテル。

まさか、ここに?と思っているうち、車はエントランス前のロータリーへと入っていった。

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