過保護なドクターととろ甘同居
先生のあとに付いて行くと、向かった先は一階にあるフレンチレストランだった。
入り口で出迎えたボーイさんと先生が話すのを背後で待ちながら、今日の自分の格好を見下ろしてしまう。
偶然にも今日はデニムではなく、黒い起毛ワイドパンツに、コートの中は大人しめな白のタートルニットという装いの今日の私。
だけど、こんなオシャレなホテルのレストランで食事をするには、相応しくない普段着だ。
そんな心配の最中、また別のボーイさんがやって来て「コートをお預かりします」と先生と私に向かって声を掛けてくる。
先生に習ってコートを脱ぎ手渡すと、「ご案内します」と初めに応対していたボーイさんが奥へと入っていった。
先生のあとに続いて中に足を踏み入れ、見渡した店内にあっと驚かされてしまった。
照明が落とされた落ち着いた雰囲気と、ワインレッドのクロスが敷かれたテーブルが目を引く。
案内された窓際の席からは、ガラス張りの向こうライトアップされた木々が森の中にでもいるような癒しの眺めも演出されていた。
「ここの料理長の奥さんの子、この間、うちで取り上げたんだ」
席についてすぐ、先生はそんな事情を話してくれる。
「一度ぜひって言ってもらってたんだけど、ね? さすがに一人じゃ寂しい人になっちゃうでしょ」