過保護なドクターととろ甘同居


一時までの午前の診療が終わり、外来は午後三時からまた受付けが始まる。

今までカフェでのお昼休憩は三十分が当たり前だったから、病院の休憩の多さには驚いてしまった。

二時間なんて、昼寝できるくらいの長さだ。

昼休みはスタッフルームで過ごしてもいいし、三階の自室に戻ってもいいと先生に言われていた。

初日から引っ込むのもどうかと思い、今日はスタッフルームで過ごすことに決めた私は、看護師の木之本さんと助産師の宮城さんと休憩を共にすることにした。

スタッフルームには、部屋の真ん中に椅子が六脚収まった大きなテーブルが用意されていた。

清潔感のある白い壁紙に大きな窓もあり、開放的な明るい部屋だ。


「はい、三枝さんの分ね」


木之本さんがテーブルの上に積まれていたお弁当の箱を差し出してくれる。


「ありがとうございます。あの、これって……」

「うちお昼はね、先生が駅前のお惣菜屋さんにスタッフ用のお弁当を毎日発注してくれてるのよ」


色とりどりのたくさんのおかずが少量ずつ詰められたオシャレなお弁当。

先生の計らいと聞き、「そうなんですか……」と感動の一声を上げていた。

< 38 / 144 >

この作品をシェア

pagetop