過保護なドクターととろ甘同居
元々、コーヒー好きが高じてコーヒーショップでのバイトを始めた。
働き出すとそれまでよりも奥深さを知り、いつしか自宅でも仕事で得た知識と自分なりのアレンジを加えて、様々なドリンクを自作するようになっていた。
豆の種類にこだわるところから、ドリンクを作る時のエスプレッソとミルクの割合。
ミルクフォーマーも今まで何種類か試し、泡立ち具合が気に入った今愛用しているものにたどり着いた。
こんな時間だけど、今日は甘いものが飲みたい気分が抑えきれず、カフェモカを作ろうとエスプレッソメーカーに挽いた豆を入れる。
眠るために飲むのだから、ミルクの割り合いを多くして作ろうと思う。
引越ししてくる前、コーヒー豆やドリンクに使うソース関係、パウダーなども気に入っているものを買い揃えてきた。
あとは牛乳やクリームなどをスーパーで調達してくれば、大抵のドリンクは作ることができる。
耐熱ビーカーに注いだ牛乳を電子レンジで温め、ミルクフォーマーで泡立てる。
廊下の向こうでドアが閉まる音がし、続いて足音が近付いてくるのが聞こえた。