過保護なドクターととろ甘同居
スラスラとそこまで言ってみて、しまった!と思った。
さっき上手いこと誤魔化したのに、これでは特別に覚えていたのがバレバレだ。
先生はカウンターの向こうから振り向いて、またフッと口元に笑みを乗せる。
「イメージ壊れた感じだ」
「いえ! そういうわけではないです!」
慌てて弁解した私を、先生は今度は意地悪い笑顔で見つめる。
「カッコつけて、ブラックしか飲まない、なんて言ってみてもいいけど……俺は自分の好きなものは偽れない奴でね。好きなもんは好きって」
「全然いいと思います! むしろ、その方がかっこいいです! ギャップ萌えです!」
笑みを浮かべていた先生の表情が無になって、暴走していた自分の発言にハッとする。
私は何を言っちゃってるんだ!
ギャップ萌えって!
恥ずかしさに俯くと、程なくして先生がクスクス笑い出したのを感じ取る。
ああ、変なこと言う奴だって笑われてる。
力任せにチョコソースのボトルを握り締めると、予定よりも大量のソースがカップの中に入ってしまった。