過保護なドクターととろ甘同居
覆うようにして重なった突然のキスは、味わうようにして戸惑う私の唇を食む。
「……ッ、ンっ……せ、んせ」
一瞬離れた唇の隙間から声を出してみても、言葉を遮るようにしてまた口付けられる。
今まで知らなかった巧みなキスに、体の力が徐々に抜けていく。
どうすることもできずに目を閉じていると、そっと触れていた柔らかい感触が離れていった。
「慰めてやろうとは、思ってない」
取り上げたグラスがテーブルに置かれる音が聞こえる。
薄らと開いた目に映った先生は、近距離でじっと私の顔を見つめていた。
今になって心臓がドクドクと音を立て始める。
この突然起こった状況のせいなのか、はたまた酔いが本格的に回ってきているのか、頭がどうにも働かない。
言われた意味もよくわからないまま、とろけかけた顔をただ先生に向けていた。
「でも……忘れたいなら手伝ってやる」