過保護なドクターととろ甘同居
一人でお腹の子を産むと決意して、それを側で見守り、手助けしたのも先生。
だから、滝瀬さんの事情も知った上で、先生はきっと優しい言葉もたくさん掛けたのだと思う。
自分がどん底に墜ちた時、支えてくれた先生の存在。
滝瀬さんにとって、先生は病院の先生という存在を超えたのだと素直に納得してしまった。
心にぽっかりと穴が空いてしまったように、空虚な気持ちに襲われる。
手すりにかけた手が、ずるっと落ちていた。
登りきった階段の端に腰を掛けたまま、ぼうっと階段の下を見つめる。