初恋マニュアル
あまりのことに、私は言葉を失った。


だって、手をつないだだけで、あんなにドキドキしたっていうのに……それ以上なんて、やっぱりムリだ。



「ま、いんじゃない?今はまだわかんなくても、ゆっくり育てていけばさ」



「育てるって……?」



「恋の卵をさ」



「恋の……卵……」



愛里はときどきむずかしいことを言う。


私がいまいち理解できずにいると、愛里が今度はわかりやすく説明してくれる。



「そのうち、三浦くんと一緒にいたい!とか、三浦くんに触れたい!とか、思うようになるから」



「そ、そんなこと!」



「なーるーの!そしたらそれが恋に育った証拠なんだから」



だいたい私のこの思いが恋に育ったとして、三浦くんが受け入れてくれるとは限らない。


だったら、友達としてそばにいたいと思うのは、おくびょうなのかな?


あのカフェで話したときの、あの感じ。


おだやかでやさしい空気は、私を幸せな気分にさせてくれた。
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