初恋マニュアル
そう考えたらなんだかすごく気が楽になった。


愛里はそんな私を、まだ心配そうに見ている。


きっと、今までの私なら泣いたり落ち込んだりして愛里に助けを求めていたのかもしれない。


愛里自身も、まさかこんな事態になって私が三浦くんに告白するとは夢にも思わなかったんだろう。



「ほら、もう寝よ?」



私は笑いながら、愛里を布団に押し戻した。



「でも……」



「大丈夫だって、心配しないで?」



ね?と、まだ不安そうな愛里の視線をかわしながら、私は決意を胸にそっと目を閉じた。
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